2019/06/03 12:16

こんにちは。




今回は、
フィンランドのセラミックアーティスト、
ルート・ブリュック(RUT BRYK)の
展覧会に行きましたのでそのお話を。





現在、東京駅の東京ステーションギャラリーで行われている展覧会。

私が昨年葉山で行ったアルヴァ・アアルト展も、
こちらへ巡回し先日まで開催していました。

東京駅のレンガや駅の重厚な感じと
人が集まる場所を上手く使った素敵なギャラリーです。








さて、ルート・ブリュックといえば、

特徴のある陶板や細かなピースを合わせた壁画などが有名で、

ガラス・家具などさまざまな製品などをデザインした
世界的デザイナー、タピオ・ヴィルッカラ(Tapio Wirkkala)の奥様でもあります。





私も彼女の作品をいくつか見たことがあっても
ここまでたくさんの作品を一堂に目にする機会はありませんでした。












観終わって感じましたが、
一見すると別の人の作品ではないかというくらい
大まかに3つの時期に特徴が分かれていました。






アラビア社の
Art Department(美術部門)に招かれてからの
日用品や陶板への絵付けの時期。

優しく可愛らしい雰囲気です。









次は、石膏に絵を彫って型を作り、
そこに泥漿(陶板のもとになるもの)を流し込んで、
彫った絵の部分の盛り上がりと厚く施した釉薬で表現していた時期。





展覧会の顔になっている「ライオンに化けたロバ」。





型によって同じものを作ることができますが、
釉薬の色を変えることで違う雰囲気や印象にもなり、
それぞれが唯一無二の作品になります。








そしてだんだんとタイルやピースも小さくなり、
幾何学的なピースと色彩を組み合わせて
白や黒の背景に立体的に表現した時期。
(撮影禁止部分でしたので写真がなくすみません。)






個人的には後期の細かいピースの表現が秀逸だと感じました。

当初よりいろいろと削ぎ落とされてきますが、
ピースは考えられて組み合わされていると感じましたし、色も絶妙。





作品の特徴は変化していっても、
自然や家族、周囲などから受けたひらめきや愛情などをそのまま、
その時の「やりたいこと」に向かっていった方なんだろうと私は感じています。






作品がまとめられた素敵な図録もありました。



展示は6月16日(日)まで。
兵庫、岐阜、福岡などでも巡回予定とのことです。

ご興味ある方は是非足を運んでみてくださいね。



ちなみに、館内、部分的には撮影可能ですが、
撮影不可(残念ながら会期中に禁止の場所ができてしまったよう)
となっている場所もありますのでご注意くださいね。








今年は、日本とフィンランドが外交樹立して100周年の記念の年。

それに伴い、最近はイベントなど多いですね。
ほんわか可愛い記念切手も発行されていました。






葉山の神奈川県立近代美術館でも9月頃から
今度はカイ・フランクの展覧会もあるそうなので楽しみです。